花粉症治療はオーダーメイドです

もう一つ大切なことは、患者さんごとに治療計画を立てる、という重要性です。

市中のクリニックで花粉症を治療している多くの医師は、ごく短期間しか、その患者さんをみていません。スギ花粉症なら、せいぜい2月から5月まで3~4か月の間で2~3回、しかも、その人が翌年もまた来るとは限りませんから、不特定多数の患者さんに短い期間でクスリを渡しているのが、今の日本の花粉症治療の実態です。患者ごとの治療計画など、どこにもありません。

私の診察室に来られるほとんどの患者さんは、そのような医療施設でこれまで治療を受けてこられて、どうにも我慢できず、何とかしてくれと言って来られた方々です。お付き合いする期間は、当然、かなり長くなります。

ひと通りの診察と検査が終わったあと、必ず話をします。

内容は、その方の花粉症のこれまでの経緯と、これまで治療をしないでいた時の自然史、つまり何が起きていたかということです。

「今、あなたは外の症状が強くて、皮膚も少しカサカサしています。住まいの地域や環境を考えると、この先、鼻の状態は良くなる代わりに、かゆみなどがでて、皮膚の症状がひどくなるかもしれません。そして、目が腫れ、熱が下がらないという花粉症のひどい症状は、たぶんお年寄りになるまで続きます。

花粉症を楽にするには、この自然史を変えなくてはなりません。しかし、たくさんある花粉症のクスリでは、歴史を変える決め手にはなりません。その時のつらい症状を一時的に楽にするだけで、やめればまた症状が出て来ます。自然史を変えるには、いま花粉症を起こしている抗原で、別の免疫を作り、あなたのアレルギー細胞そのものを変化させるしかないのです。それが<アレルゲン発疫療法)です。

アレルゲン発疫療法には、注射をする従来の『皮下免疫療法』と、舌の裏にエキスを選らす『舌下免疫療法』があります。どちらのアレルゲン免疫療法も、本当の効果が出てくるまで何年もかかりますから、いま家づまりがひどくて仕事や勉強も手につかないなら、一度手術をして、鼻づまりを楽にしておいてから、免疫療法を始めるのもいいでしょう。鼻水にも頭痛にもいい治療法がありますので、やるとしたら、どの治療法を、どのタイミングでやればいいのかを、症状や職業、年齢も考慮して一緒に考えていきます。これがあなたの治療計画で、これなしでは、私の治療は始まりません」

ちなみに治療計画を立てるのは、アレルゲン免疫療法の患者さんだけではありません。検査で粘膜や神経の過敏性が強いとわかった人にも、クスリでいきたいと希望される人にも、それぞれ治療計画を立てます。花粉症の原因や症状は、その人ごとに違いますから、治療のやり方も、その人ごとに合ったものでなければ効果が上がりません。花粉症の治療は、実はオーダーメイドなのです。

花粉症のメディカル・ケアにはたくさんの方法があり、どの方法がいいかを決めるのは黒者さん自身です。たとえて言えば、花粉症のようなアレルギー療や料や神経の過飲症は、その方なりの自然史を縦糸、職業や環境を横糸として機

られていく一枚の布のような病気だといっていいかもしれません。そんな全体像を将来まで見透しながら、どういう医学的な介入を、いつするかを考えていくことが、治療の根と考え、これまで実行してきました。

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